Hantec Traderとは?まず押さえる全体像

プランの話に入る前に、そもそもHantec Traderがどういうプロップファームなのかを、ざっくり押さえておきましょう。土台を知っておくと、このあとのルールの理解がぐっと楽になります。

Hantec Trader(ハンテックトレーダー)は、35年以上の歴史を持つHantec(ハンテック)グループのプロップトレード部門です。運営はモーリシャス籍のHantec Trader Limited、取引環境はHantec Markets Mauritiusのものを採用しています。プラットフォームはMT4・MT5の両方に対応し、FX(通貨ペア)・貴金属(ゴールド等)・株価指数・商品・暗号資産が取引できます。完全な日本語の公式サイトがあり、日本からの登録も可能です(米国居住者・市民は利用不可)。

口座サイズは$2,000〜$200,000のシミュレーション残高から選べ、複数口座を合わせて最大$300,000まで運用できます。利益配分は標準80%、アドオン購入で最大95%。報酬サイクルは14日ごと(Weekly Payoutアドオンで7日)、最低出金額は$20(EnhancedXは口座初期残高の2%)で、出金処理は1〜2営業日です。

プロップファームの評価方式は4タイプ+即時型に分かれる

Hantec Traderの評価方式は、ステップ数で見ると1ステップ・2ステップ・3ステップ・即時型に整理できます。プラン名で言うと、Express(1ステップ)/Enhanced・EnhancedX(2ステップ)/Endurance(3ステップ)/Instant Funding・Instant Lite・Instant24(即時型)です。まずはこの対応関係を頭に入れてください。それぞれの設計思想を1つずつ見ていきましょう。

Express(1ステップ)

1回の評価でクリアする最短ルートのチャレンジです。利益目標は10%、デイリードローダウン(1日の損失上限)5%、最大総損失6%(トレーリング式で、6%利益を達成すると初期残高にロック)。最低取引日数はなく、理論上は1日で達成可能です。

整合性ルールはなく、ニュース取引・週末保有も可能。スピード感を重視する人向けの設計です。価格は$2,000で$39から(口座サイズが上がるほど価格も上がります)。

Enhanced/EnhancedX(2ステップ)

第1ステージ・第2ステージの2段階をクリアする王道型です。2種類あり、条件が異なります。

  • Enhanced……利益目標はStage1で10%+Stage2で5%。デイリードローダウン5%、最大総損失10%(スタティック=固定式)。各ステージで最低3取引日(0.5%利益)が必要で、計6日が目安。価格は$2,000で$59から。
  • EnhancedX……利益目標がStage1 8%+Stage2 4%とやや低め。デイリードローダウン4%、最大総損失8%(スタティック)。整合性ルール(45%)が適用され、最低出金は口座初期残高の2%になります。価格は$2,000で$49から。

Endurance(3ステップ)

3つのステージそれぞれで6%の利益目標を達成する、もっとも段階の多い型です。デイリードローダウン4%、最大総損失8%(スタティック)。各ステージで最低3取引日が必要です。

整合性ルールはなく、報酬は最大95%まで狙えます。段階が多い分、価格が抑えめなのが特徴で、$5,000で$29からと、小〜中サイズの評価チャレンジ型では割安に始められます(口座サイズによってはExpressの方が安い場合もあります)(即時型のInstant24・Instant Liteは価格だけならさらに安いものの、損失幅が狭い別設計です)。

Instant Funding/Lite/Instant24(即時型)

評価チャレンジを行わず、最初から資金口座でトレードを始めるタイプです。3種類あり、性格がかなり違います。

  • Instant Funding……利益目標なし。デイリードローダウン6%、最大総損失6%(トレーリング→6%利益でロック)。整合性はなく、最大オープンリスク3%。初回出金は初トレードから14日後(アドオンで7日)で、スケーリング不可。価格は$2,000で$43から。
  • Instant Lite……利益目標なし。デイリードローダウン3%、最大総損失5%(トレーリング→5%利益でロック)。整合性20%以下、最大オープンリスク1%、各支払サイクルで最低5日0.5%利益が必要。価格は$2,000で$19から。
  • Instant24……最短24時間で完了する即時型。利益目標なし、デイリードローダウン2%、最大総損失3%(トレーリング)、整合性15%(単一トレードが累積利益の15%を超えない)。報酬は最大80%(アドオンで95%)。価格は$2,000で$13から(ローンチ特典10%オフ対象)。

なおInstant系(Instant Funding/Lite/Instant24)は、UK・モーリシャス・香港・シンガポール居住者は利用不可です。日本居住者は対象外ではありませんが、こうした居住地制限がある点は頭に入れておきましょう。

プラン別ルール早見表で違いをつかむ

文章だけだと混乱しやすいので、主要プランの条件を早見表にまとめました。下の図とあわせて、全体像を一望してみてください。数値はすべて公式情報に基づく事実ですが、ルールは変更されることがあるため、申込前には必ず公式サイトで最新の条件をご確認ください。

Hantec Trader(ハンテックトレーダー)の評価方式の図解:Express・Enhanced・EnhancedX・Endurance・即時型ごとに、評価の段階数・利益目標・ドローダウンが異なることを比較した図
プラン段階利益目標日次損失最大総損失
Express1ステップ10%5%6%(トレーリング)
Enhanced2ステップStage1 10%+Stage2 5%5%10%(スタティック)
EnhancedX2ステップStage1 8%+Stage2 4%4%8%(スタティック)
Endurance3ステップ各ステージ6%4%8%(スタティック)
Instant Funding即時型なし6%6%(トレーリング)
Instant Lite即時型なし3%5%(トレーリング)
Instant24即時型(24時間)なし2%3%(トレーリング)

この表を眺めると、段階が少ない・即時型ほど、最大総損失(許される損失幅)が小さくタイトになりやすい傾向が読み取れます。たとえばInstant24は段階こそありませんが、最大総損失3%・日次損失2%とかなりシビア。「即時型=楽」ではなく、「即時型=損失の許容幅が狭い別の難しさ」だと理解しておくのが安全です。同じく複数の評価モデルを持つ老舗との違いを知りたい方は、The5%ersのルールと評価モデルも読み比べてみてください。

ドローダウンは「日次」と「最大」の2本立て

Hantec Traderのルールで、合否を最も左右するのがドローダウン(許される損失の上限)です。ここは2種類あるので、混同しないように分けて理解しましょう。

ひとつはデイリードローダウン(日次損失)。これは「1日のうちに、どこまで負けてよいか」の上限です。Hantec Traderでは、前日終値(00:00サーバー時間)の残高または有効証拠金のいずれか高い方を基準に計算されます(2026年2月1日以前に購入した口座は前日残高基準)。

もうひとつは最大総損失(マックスドローダウン)。これは口座全体での損失の上限です。Hantec Traderでは2つの方式が混在しているのがポイントで、Express・Instant系はトレーリング式(利益に追従して損失ラインが動き、一定の利益でロックされる)、Enhanced・EnhancedX・Enduranceはスタティック式(固定)です。トレーリング式は利益が乗るとラインが切り上がっていくため、序盤の含み益が出た直後の急落に注意が必要です。

そして最も大切なのが、これらに違反すると即「ハードブリーチ」=失格・口座クローズになるという点。デイリードローダウンも最大総損失も、超えた瞬間にアウトです。トレーリングと固定の違いが気になる方は、トレーリングと静的ドローダウンの違いトレーリングドローダウンとは?計算方法を図解でもあわせてどうぞ。

整合性・最大オープンリスクという落とし穴

ドローダウンと並んで見落とされがちなのが、整合性ルール最大オープンリスクです。どちらも「一発の大勝負を抑制する」ための仕組みで、知らないと足をすくわれます。

整合性ルールは、利益が特定の1日(または1トレード)に偏りすぎていないかを見るものです。Hantec Traderでは、Enhanced/EnhancedXは整合性45%(最良日の利益÷総利益×100が45%以下)、Instant Liteは20%以下、Instant24は単一トレードが累積利益の15%を超えない、という基準です。Express・Endurance・Instant Fundingには整合性ルールがありません。

最大オープンリスクは、保有中ポジションの含み損の合計に対する上限です。Enhanced系は初期残高の3%以内、Instant Liteは1%以内、Instant Fundingは3%以内。含み損の合計がこの幅を超えると、これもハードブリーチの対象になり得ます。

もうひとつ、禁止戦略も多めです。プラットフォーム/価格エラーの悪用、共謀・価格操作、過半のトレードが3分未満になるスキャルピング、第三者・市販ストラテジー、HFT、アカウント間アービトラージ、複数登録、単一/相関資産で85%以上の証拠金を使う過剰レバレッジなどが挙げられています。スキャルピングやEAを多用する方は、自分の手法が抵触しないか、スキャル・EAが使えるプロップの選び方もあわせて確認しておくと安心です。

利益分配と出金は標準80%、最大95%の仕組み

評価を突破したあと、いちばん気になるのが利益分配(プロフィットスプリット)と出金ですよね。ここはお金に直結するので丁寧に見ていきます。

Hantec Traderの利益分配は、標準80%、95/5 Profit Splitアドオンを購入すると最大95%になります。プランによっては最大90/95%表記のものもあります。報酬サイクルは14日ごとで、Weekly Payoutアドオンを付けると7日ごとに短縮できます。Instant Fundingだけは初回が初トレードから14日後(アドオンで7日)と少し独特なので注意してください。

出金面では、最低出金額$20(EnhancedXは口座初期残高の2%)、出金処理は1〜2営業日と速め。出金方法は銀行振込・デビット/クレジットカード・PayPal・暗号資産・Apple Payなど幅広く対応します。さらに24時間報酬承認保証があり、適格な申請が承認されない場合は承認額と同額(最大$1,000)が追加報酬として支払われる仕組みです。ファンディング段階ではKYC(本人確認)と契約者契約が必要になります。

なお、プロップファーム報酬はUSD建てで、円建て口座の提供はありません。為替の影響を受ける点や、税金は各自負担である点は押さえておきましょう。出金の流れ全般は初回出金までの流れと必要な準備でも解説しています。

誠実に伝えたい注意点:シミュとオフショア運営

メリットばかり並べても、判断の助けにはなりません。ここはあえて注意点を正面からお伝えします。お金に関わる話なので、納得したうえで選んでいただきたいからです。

第一に、全取引はシミュレーション環境(バーチャル資金)で行われます。実際の市場約定ではなく、あくまで成績に応じて報酬が支払われる仕組みです。これはHantec Traderに限らず多くのプロップファームに共通する構造ですが、「自分の資金が実市場に置かれているわけではない」という前提は理解しておきましょう。仕組みの詳細は口座はデモ?リアル?仕組みと安全性が参考になります。

第二に、運営はオフショア(モーリシャス籍)のHantec Trader Limitedで、規制活動を行っておらずFCA等の規制保護は受けられません。Hantecグループの一員ではあるものの、規制を受けているHantec Markets Limitedとは完全に別の法人です。「Hantecブランド=規制下にある」と早合点しないよう、ここは正確に理解しておきたいポイントです。プロップファームの規制の考え方はプロップは違法?規制・金融庁との関係でも整理しています。

第三に、細かいルールが多いこと。整合性、最大オープンリスク、ファンディング口座でのニュース取引制限(高インパクトニュース前後3分の禁止)、リスク管理グループ入りによるレバレッジ縮小など、把握すべき項目が多めです。プランごとに条件が異なるので、「なんとなく」で選ぶと後でルールに足を取られます。

タイプ別・自分に合うプランの選び方

ここまでを踏まえて、「使える時間」「予算」「スピード重視か確実性重視か」の3つの軸で、代表的なタイプ別に目安を整理します。あくまで一般的な考え方なので、肩の力を抜いて参考にしてください。

とにかく安く試したい人

小〜中サイズの評価チャレンジ型で割安に始められるEndurance(3ステップ)が候補です($5,000で$29から。口座サイズによってはExpressの方が安い場合もあります)。価格だけなら即時型のInstant24($13から)・Instant Lite($19から)がさらに安いものの、損失幅が狭くシビアなので、まず評価型でじっくり試したいならEnduranceが手頃です。

段階は3つと多いものの、各ステージの利益目標は6%ずつと分散しており、整合性ルールもありません。ただしステップ数が多い=拘束期間が長くなりやすい点は許容できるか考えましょう。

時間をかけて着実に示したい人

王道のEnhanced/EnhancedX(2ステップ)がぴったりです。2段階で実力を示す設計で、無理な一発勝負に頼らずに済みます。利益目標を低めにしたいならEnhancedX(Stage1 8%+Stage2 4%)、最大総損失の余裕を取りたいならEnhanced(10%)と、目標の高さと損失幅のどちらを優先するかで選び分けると良いでしょう。

すぐ始めたい・合否を気にしたくない人

評価フェーズのない即時型(Instant Funding/Lite/Instant24)が選択肢です。最短で結果を出したいならInstant24ですが、日次損失2%・最大総損失3%とかなりタイトなので、リスク管理に自信がある人向け。「合否のストレスは避けたいが損失幅の狭さは受け入れる」という割り切りが必要です。なお即時型は居住地制限がある点も忘れずに。

Hantec Trader申込前のチェックリスト

プランの当たりがついたら、購入ボタンを押す前に、次の項目を上から順番に指差し確認してください。トラブルの多くは、この確認を飛ばすことで起きます。

  1. 選んだプラン(Express/Enhanced/EnhancedX/Endurance/Instant系)の利益目標・ステップ数は、自分の予算・時間に合っているか。
  2. そのプランのデイリードローダウンと最大総損失の幅、そしてトレーリング式かスタティック式かを把握したか。
  3. 整合性ルール・最大オープンリスクが自分の手法(一発勝負・含み損を抱える傾向)に抵触しないか。
  4. 自分の手法(スキャル・EA・ニュース時取引など)が禁止戦略に触れていないか。即時型なら居住地制限の対象でないか。
  5. 合格後の利益分配率(標準80%か、アドオンで95%か)と出金条件(最低$20、報酬サイクル、Instant Fundingの初回タイミング)を理解したか。
  6. 運営が規制対象外のオフショア法人・取引はシミュレーションであることに納得したうえで、上記をすべて公式サイトの最新情報で確認したか。

Hantec Traderのルールに関するよくある質問

Hantec Traderの評価方式にはどんな種類がありますか?

Express/Enhanced/EnhancedX/Endurance/即時型など、複数の評価方式から選べます。方式やプランによって利益目標・ドローダウン・利益分配が異なるため、最新の条件は公式サイトで確認してください。

Hantec Traderの利益分配はどのくらいですか?

標準80%〜最大95%程度とされ、プランやスケーリングによって変動します。具体的な数値は公式の最新情報で確認してください。

取引環境やルールで注意すべき点は?

取引がシミュレーション環境である点や、オフショア運営である点を理解しておくことです。ドローダウンや禁止事項は評価方式ごとに異なるため、申込前に必ず確認しましょう。

どの評価方式を選べばいいですか?

自分の手法・受かりやすさ・コストのバランスで選びます。段階数や条件が方式ごとに違うため、ルールと利益目標を見比べて、自分に合うものを選ぶのがおすすめです。

まとめ:Hantec Traderのルールと選び方

お疲れさまでした。最後に、この記事の要点をまとめます。

Hantec Trader(ハンテックトレーダー)は、1〜3ステップ+即時型+24時間型という非常に幅広い評価方式を持つプロップファームです。Express(1ステップ・利益目標10%)、Enhanced/EnhancedX(2ステップ)、Endurance(3ステップ・小〜中サイズでは割安)、即時型のInstant Funding/Lite/Instant24と、それぞれ利益目標・ドローダウン・整合性ルールが異なります。利益分配は標準80%、アドオンで最大95%、最低出金$20・出金1〜2営業日と出金面は良好です。

一方で、運営は規制対象外のオフショア法人で取引はシミュレーション環境、整合性や最大オープンリスクなど細かいルールが多い点は、誠実に理解しておくべき注意点です。プラン名で当たりをつけ、最終判断は利益目標・ドローダウン・整合性・出金条件まで突き合わせて行う。これが、Hantec Traderで遠回りに見えていちばん失敗しにくい選び方です。

なお、本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の会社やプランを保証・推奨するものではありません。ルールや費用は変更されることがあるため、申込前には必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。Hantec Traderと国産・日本特化のプロップファームを横並びで見比べたい方は、プロップファームおすすめ比較ランキングの選び方も参考になります。あなたのプラン選びが、納得のいくものになりますように。

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